晴天なり。 〜なるほどさん家の昼食事情〜
「ふぁ〜…おはよう」
「あ、パパ!おはよう!」
「なにが“おはよう”ですか。もう昼ですよ」
「いいじゃないか、たまの日曜くらいゆっくり寝かせてくれても」
「そう言う台詞は、毎日ちゃんと働いてる人間が言うものです」
「言うねぇ。それじゃまるで、僕が毎日ちゃんと働いてないみたいじゃないか」
「じゃあ聞きますけど、週5で8時間労働してますか?」
「オドロキ君」
「はい」
「目に見えるものだけが真実とは限らないんだよ」
「うるせぇよ。…とにかく、昼めし食べるなら顔洗ってきてからにしてくださいね」
「はいはい…」
「パパ、今日のお昼はオドロキさんの手作りだよ!」
「ん?いつも手作りだろう?」
「今日のはね、麺から作ったんだよ!ね、オドロキさん!」
「あ、はい。本で読んだらなんか食べたくなっちゃって。
買うのも勿体ないので、家にある材料で適当に作ったんですけど…」
「ふーん、すごいね。うどん?そば?」
「ぶぶー!残念パパ、ハズレ〜♪」
「ビーフン?」
「…うどんとそばの次にビーフンと来る発想がある意味スゴイですけど違います」
「みぬき、初めて食べるなぁ。楽しみです!」
「あ、スパゲッティだ!」
「アンタ自分の娘にどんだけ切ない食生活送らせてんだ」
「スパゲッティなら給食で食べたことあるよ、パパ」
「そうか、みぬきはリッチだなー」
「……スパゲッティは明日作ってあげますから…」
「ありがとう。で、結局なにを作ったの?」
「フォーですよ、ベトナムの。聞いたことあるでしょう?」
「…まぁ、知識としては知ってるけど…」
「なんです?」
「それを作ろうと思い立った君が、ある意味ビーフンよりスゴイなと思って」
「……ビーフンと並べられても困るんですけど…」
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晴天なり。 〜なるほどさん家のしゃっくり療法〜
「…ひっく」
「あっ!オドロキさん、しゃっくりですね!」
「……なんで嬉しそうなんだよ」
「しゃっくり療法なら任せてください!みぬき、新技知ってます!」
「ひっく…新技ぁ?」
「なんですか、その胡散臭そうな顔は」
「胡散臭いだろ、実際」
「失礼ですよ、オドロキさん!そう言うことは、試してから言ってください!」
「わ、わるかったよ…ひっく。でもさ、それホントに効くの?」
「それを今から試すんです!」
「どつくよ?」
「何事もチャレンジですよ!『千里の道も一歩から』!!」
「いやいやいや!それなんか違うから!…ひっく。て言うか、オレを実験台にするな!」
「失敗は成功の母ですよ?」
「しかも失敗が前提かよ!!」
「いいですか、まずは逆立ちしてですね」
「ひっく……くそっ、なんでこの歳になってまで逆立ちしてんだ、オレ…ッ!」
「で、そのまま右手を顎の下にあてて『アイーン』」
「古いな!!つーかキツイ!!この状態が既にキツイ!!」
「さあ、オドロキさん!そのポーズをキープしたまま、ぐいッと一気にこの水を!」
「飲めるかァァアアア!!!!」
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晴天なり。 〜なるほどさん家のしゃっくり療法A〜
「……ひっく」
「おや。しゃっくりかい、オドロキ君?」
「オドロキさんのしゃっくり、なかなかしぶといんだよ、パパ」
「ああ、うん、なんかそんな感じがする」
「…どういう、ひっく、意味ですか!」
「心なしか、さっきよりひどくなってますね」
「誰のせいだよッ!」
「う〜ん、みぬきの考えた新技も効果ナシかあ」
「!やっぱりアレ、みぬきちゃんが考えたのか?!!」
「まぁまぁ、みぬき。失敗は成功の父だよ」
「あれ?母じゃなかったっけ?」
「そうだった?まあ、どっちでも同じじゃないかな」
「そうだね、パパ」
「なにを、ひっく、納得してるんですか!こっちには、ひっく、言いたいことが、ひっく、山ほど…っ!」
「喋るかしゃっくりするか、どっちかにしなよ。忙しい子だね、君も」
「それが出来たらっ、ひっく、こんな思いは、ひっく、してませんッ!!」
「やれやれ……仕方ないな、こっちおいで」
「…なんですか?」
「僕が直してあげるよ。オーソドックスな民間療法でね」
「息の根を止めるとか?」
「…うん、確かにしゃっくりは止まる」
「もっと簡単な方法だよ。はい、ここに立って」
「?…ひっく、一体なにをす…」
ちゅ。
「あっ、いいなぁ、オドロキさん。おでこにチュー」
「やっぱりさ、しゃっくりに一番いいのは驚かせることだよね」
「横隔膜もビックリだね、パパ!」
「で、どう?しゃっくりは止まったかい、オドロキ君?」
「……………」
「オドロキさん?オドロキさーん?」
「うん、よかった。しゃっくり止まったみたいだね」
「…ねぇパパ、もしかして、息の根も止めちゃったんじゃない?」
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